炎に煌めくゲームレビュー

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【レビュー】幻影異聞録#FE【感想】癖の強い外面に反して、丁寧に作られた正統派現代風RPG!

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(※本記事は2015年に発売されたWiiU版を元に記述しています。2020年にSwtichでEncoreが発売。内容自体は海外版になっているため、一部表現や設定が変わっている他、本記事の内容に+αの内容あり。)


どうも、今回は「幻影異聞録#FE」のレビューを行います。


このゲームは2015年12月26日に任天堂から発売されたRPG。開発担当がアトラスなので実際の作品的にはアトラスの新作にあたりますね

 

プレイ時間は48時間58分。サブストーリーは全てクリア。クエストも半分くらいはやったかな?という感じでした。

のゲームのポイント!・ファイアーエムブレムと女神転生のコラボタイトル。
・作風的には、アトラスのペルソナシリーズに近いが、全く同じではない。
・アトラス史上最高に楽しい、戦闘システム。

ゲームの特徴

まず、見た目から。見た目は、アトラス同社のペルソナに非常に酷似している作品ですが、実際には、共通点はあるものの細部は結構異なっているという印象です。

具体的なポイントとしては、下記のような感じですかね。


・日数設定がないことによる自由度の高さ。

・ダンジョンが固定でランダム化されていないこと。 (これはペルソナ5でもそうですが。)

・成長システムやスキル関連はペルソナよりも、メガテン寄り。

 

ただし、カジュアルな雰囲気は共通点を感じることも多かったので、ペルソナが好きな方ならば、テイストには馴染みやすいのではないでしょうか。


システム的には、ストーリーに沿ってダンジョンを攻略していき、時々街に出るという感じですので、こちらはかなりペルソナと似通っていた印象です。

評価点

非常に面白い戦闘システム

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このゲームの一番の押しポイントと言えば、やはり戦闘システムの完成度の高さでしょう!


基本的にはアトラスゲーお馴染みの、プレスターンバトルがベースなのですが、今作はプレスターンを採用しているタイトルの中でも、非常に戦闘のテンポがよく爽快なんですよ!

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というのもですね、弱点を付くだけで他のキャラクターの技がポンポン連携していくんですよね。


中盤以降は5連続以上コンボが繋がることもザラなので、ワンアクションから、大量のダメージを与えることが可能になっているんです。


連続攻撃は、演出のカメラワークがいい上にシーンも短いので正に爽快かつ、テンポ圧縮の両方を満たしていて理想的な仕上がりでした。

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序盤に限っては連携システムが出てこないので少々退屈に感じますが、要素が解放されてからの戦闘は最高の一言!


ストーリー進行に従ってより多くの要素が解放されていくので、退屈することなく最後まで楽しく通常戦闘を楽しめました。


基本レベル上げの作業となってしまう通常戦がこれほど楽しめるゲームも珍しい!


また、敵側も同様のシステムをもっているため、こちらも弱点を突かれれば一撃で壊滅というのもザラだったりしていて、中々シビアな調整でアトラス味を感じられましたね。


総じて、勝てるときはサクサク、負けるときはさっくり負けるという感じで、いずれにせよ、テンポが良かったです。

キャラクターの魅力が引き出せているサイドストーリー

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メインストーリーの合間には、各キャラクターの日常が分かるサイドストーリーという要素があるのですがこれが非常に良かった!


キャラクターの過去の掘り下げや心理描写が、多彩なテイストのエピソードの中で丁寧に描かれるので、感情移入しやすいですし、好感が持てるんですよね。


個人的には、仲間キャラクターだと、エリーが一番好きになれました。高飛車ツンデレでとても可愛い。

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その他、メイン以外に出てくるサブキャラたちも個性豊かな面白いキャラクターぞろいで、どちらかというと、メインストーリーよりも楽しめた要素でした。


メインストーリーに関しては後述します。

雰囲気の伝わってくる街並み

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今作は渋谷や原宿といった、都会が舞台になっているのですが、見せ方が中々面白かったです。

というのもですね、歩行人物を上記のようなカラフル色で表現しているんですよ。(カラフルなのはモブのみ。)


その上で、背景や看板などの再現度は高くしているので、とても割り切ったつくりに感じました。

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映像面としてリアルな再現度は高くありませんが、人の活気は上手く表現できていますし、CMなどの音声が場所によって変わったりする作りもあって、雰囲気づくりをかなり頑張っていたのかなと。


芸能色の強い作風と良くマッチしていたので、作中、度々街を歩き回るのが楽しかったなあ。

アトラス恒例の面白い成長要素

今作には、アトラス恒例のキャラクターの成長要素もありますが、相変わらずよくできていた印象です。

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特に面白かったのが武器ごとに覚えられる技が異なり、武器を選びながら、キャラクターにスキルを覚えさせていくというシステム。


中盤以降は色々な武器が開放されていくので、どんどん覚えるスキルが増えていくのがとても楽しいんですよね。


また、使い切った武器をもう一度強化することでさらに別のスキルが覚えられるというシステムもあり、やり込み甲斐がありました。


こういうじっくりした成長要素には、どことなくメガテン味を感じられたので、コラボ要素としてはちゃんと活きていますよね。

ゲームパッドを活かしているラインシステム(※WiiU版)

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本作、WiiUゲームパッドを活かした仕掛けとして、「LINE」を模倣したシステムがあるのですが、これも中々良かった。


メッセージがパッドの方に表示されるので、通常よりも視認しやすくなっていますし、仕掛けの方も、固定でメッセージが送られてくるわけでもなく、道中に併せて内容が変わるようになっています。


タイミングもある程度ランダムで来るような内容に仕上がっていたので、本格的に作りこまれていて面白かったです。

クオリティの高いキャラクターソング

芸能界がメインのテーマ、そして作曲担当がエイベックスということで、音楽にも力の入った作品でした。

基本、1キャラクターに1曲以上のキャラクターソングが存在しているような感じですかね。


ソロ曲だけでなく、コンビによるデュエットなんかもあるので、かなり豪華な仕様です。

声優もかなり豪華なので、ファンにはたまらないのではないでしょうか。



個人的に一番好きだったのがやっぱりオープニングの「Reincarnation」。


初PVで聞いた時からいい曲だなと思っていましたが、改めてなんども聞くと、素晴らしいなあと。


歌詞も本編とよくマッチしていてクリアしたあとに聞くとなんだか感慨深いです。



あとは「ドリーム☆キャッチャー」も結構好み。全体的にフワフワしている感じの曲調で聞いていて心地よいです。


声優も、いのりんとあやねるというこの世代ではかなり名のある、有名コンビによる曲なので、聞いて損は無し!


この組み合わせは恋愛ラボかな?いやいやごちうさでしょ!

問題点

あまり肌に合わなかったメインストーリーのテイスト

サイドストーリーの所にも書きましたが、今作メインストーリー、いまいち肌に合わなかったのかあまり楽しめませんでした。


というのもですね、全体的にノリがニチアサっぽくて、軽い感じでストーリーが進行していくような形だったんですよね。

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内容自体に明確な問題があったわけではないんですが、個人的には、せっかくのメガテンとFEのコラボということで、もっと影のあるストーリーを期待していたのもあって、やや面食らってしまったのも事実です。

 

あと、やや行き当たりばったり感があったのも気になりました。

1話1話の起承転結自体は悪くないけれど、流れで見るとなんかうん?って感じもあり、プロットの構成はいまいちだった気がします。

個人個人が努力していく姿や、最後の展開とかは結構好きなので、嫌いなストーリーではないんですけどね。

サイドストーリーに比べると、いまいちな点が目立っていたので、気になってしまった部分ではありました。

1作目特有の全体的な作品の荒さ

所々に1作目特有の荒さも見られました。


例えば、全回復アイテムがかなりの安値で買えてしまったり、終盤はお金が溜まりすぎて使い道がなくなっていたり、


致命的ではないですが、細かい部分がやや調整甘いような感じ。

その他、武器強化はダンジョン内でもできると嬉しかったりとか。いまいち痒い所に手が届いていない感がありました。

まとめ

こんなところでしょうか。

メインストーリー部分以外は、概ね事前の期待通りの出来だった印象で、楽しめました。


特に、戦闘システムに関してはプレスターン最高傑作と言っても過言ではないほど。


魅力的なキャラクターと戦闘システムのみで、十二分に価値を表すことのできる作品だったと思います。

 

ただ、内容にファイアーエムブレム要素も含むため、どちらの要素に関しても精通していないと、存分に楽しむことが出来ないのはややマイナスポイントかも。


どちらもプレイしたことがあり、かつアトラスゲームのファンであれば、遊んでみて欲しい作品という感じですかね!