炎に煌めくゲームレビュー

主にコンシューマーゲームの感想を取り扱うブログです。

【レビュー】レイジングループ【感想】色々な意味で眠れなくなる傑作ホラーADV!

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今週でとうとう夏休みが終わってしまいますが、

今週は今週でソニーカンファにTGSとゲーム情報に溢れていそうで楽しみ。

何か気になる情報が出てくればまたブログを更新しようと思います。

さて、レビュー記事。

今回は前々前回の記事で絶賛した「レイジングループ」。

ジャンルはホラーアドベンチャーゲーム。初期の情報は知らなかったんですが、

Switch版発売のあたりからちらほらタイトルを見かけるようになって、

僕は、それで気になって購入したという感じでした。

 

プレイ時間は20時間~25時間程度。

基本的に僕はボイスがあっても、割と読みたい所は飛ばしながら読んでいたので

かなりササっと読み進めたと思います。

本編に加え暴露モード、エクストラモードも全て見たので、

まあフルでプレイしてちょっと早くプレイすると

こんな感じになるんじゃないでしょうか。

ゲームの特徴

今作はかの有名な「人狼」をテーマにした、

ホラーアドベンチャーゲームアドベンチャー。と言っても今作は基本的に読むか、

選択肢を選ぶか程度しか遊ぶ要素はないのでサウンドノベル的な方向性ですね。

特徴的なのは前述した人狼と、死に戻りシステムでしょうか

主人公は物語中幾度も死ぬのですが、そのたびに時が巻き戻るので

実質生き返るんですよね。つまりループ物としての要素も強いです。

その性質を利用して、敢えて死んでみることで新たな選択肢を解放して

ゲームを進めていく場面なんかもしばしば。


後はやっぱり和風的な要素。

人狼は元々アメリカ由来のゲームなので、

上手くマッチしているのかどうか気になりましたが、

いざプレイしてみるとうまい感じに落とし込まれていた印象です。

評価点

非常によく出来ているストーリー&キャラクター

前述の通り、今作は人狼×和風といった感じのホラーアドベンチャーゲームなのですが

肝となるシナリオが非常によく出来ていました!

とにかく先が気になるんですよね。

僕はアドベンチャーゲームはいくつかプレイしてきましたが、

先が気になる、という面のみにおいては今作はトップレベルだと思います。

これはやはり人狼とループ物、和の要素の他にも

人間関係、宗教、神、辺境の風習等様々な要素が組み込まれていて

話が非常に複雑だからなのかなーと感じました。

いくつもの事象が絡み合っている為

事件の核心部分がかなり分かりにくいんですよね。

その為真実が知りたくて急いで読み進めてしまう事間違いなし!

いざ明かされる真実もこれまでの伏線を全て回収していて中々衝撃的でしたよ。

多少賛否の分かれる結末かもしれませんが、僕は好きだったかなぁ。  

また、ストーリー描写だけでなくキャラクター描写も今作は秀逸です。

なまじループの仕様上物語が長いので、

最初と全く印象の変わるキャラクターも多く、愛着の沸くキャラクターばかりでした。

どうしてもメインかそれ以外かで、掘り下げの差はありますが

それでも宴の登場人物全員はしっかりキャラクターとして成り立っていたと思います。

個人的に一番好きなキャラクターは巻島春ちゃん。

正確には彼女+αで一番好きという感じなんですが、

まあそれは伏せておきましょうか。

このキャラクター、最初と印象が180度くらい変わるのが強烈でして、

一見危機状態でヒステリーを起こす、めんどくさい感じの娘かと思いきや

実は本作の核心に迫る重要な謎を持っているんですよね。

そのギャップが魅力的でした。

そのほかも魅力的なキャラクターばかり。

特筆すべきは主人公の房石陽明でしょうか。

この手の作品の中でもかなりの頭の切れるタイプの主人公で、

最初は頼もしく感じると思います。

ただ、徐々にそれだけでない強烈な一面が見えてくるんですよね。

間違いなく賛否が割れる主人公ですが僕は良かったと思います。

ジワジワくる恐怖

今作はジャンル的にはホラーアドベンチャーゲームに当たると思いますし、

CEROも「D」という事で正直僕は最後までプレイできるかだいぶ不安でした。

が、今作は直接的なスプラッター表現はあまりなかった印象です。

無論文字でだいぶエグイ表現が入るには入るのですが、(上記画像参照)

遺体とかはぼかされた感じの画像で表現されるので、

そういうのが苦手の方でも大丈夫に作られていると思いました。

(まあ想像でもダメって方にはさすがに厳しいと思いますけど。)

ただし、直接的な表現は薄くとも今作はかなり怖いゲームだなと感じました。

得体のしれない黄泉の宴システム、徐々に狂っていく登場人物、不気味な霧など

各要素がうまい具合に恐怖感を生み出していて、最初は夢中で進めてしまうんですが

気づくとぞっとするような気分になっていました。

「一体この村では何が起こっているのか…」

というジワジワくる恐怖には圧倒されてしまいましたね。

この手のループゲームって死が安っぽくなるという点において

恐怖感が薄れがちな面もあるのですが今作は、はいはい、死亡死亡って流していても

怖くなる瞬間が定期的に訪れるのが凄いなーと。

ただ全体的に今作の恐怖は、今作の主人公も良く言及しているのですが

「何が起こっているのかわからない」事から来るものなので

全てが明かされる最終ルート&この後言及する暴露モードをプレイした後では

完全にスッキリして恐怖感も消えると思います。

そういうのも含めて恐怖感の演出は上手いなと感じました。

思わず笑ってしまうヒント機能

前述の通り、今作は死ななければ絶対に進めない場面がいくつかあるのですが、

死、すなわちバットエンドを迎えると、

羊さんというキャラクターからヒントがもらえるんですよね。

そのヒントが凄くギャグっぽい感じでついつい笑ってしまうんですよw

結構シリアスな場面でもヒントコーナーでは全力で笑わせてくるので

そこらへんもうまく調和されているのかな、と感じました。


ちなみにこのヒントモードは本編から完全に独立しているかと言えばそうでもないので

世界観を壊すようなシステムにはなっていないのも良かったですね。

本編を二度楽しめる暴露モード

今作は本編を一度クリアすると、「暴露モード」というシステムが出現するのですが

これがとても良かった!

本編では見れない主人公他キャラクターのその場の心の声や

キャラクター同士の会話が正に暴露形式で見る事が出来るので

より本編を楽しむことができるんですよね。

本編をプレイしただけではいまいち理解できない部分なんかも

暴露モードを見ると全てスッキリするのでこれは素晴らしいシステムだと思いました。

本編への没入感やキャラクター描写両方においても貢献しているしね。


ちなみに、暴露モードを見るにはもう一度本編を見直す必要がありますが、

どこで暴露場面があるかは表示されるうえに

スキップが非常に快適なので不便に感じる事はほとんどないと思います。

全体的に良い感じの音楽

今作は全体的に曲もいい感じだなという印象を受けました。

ホラーゲームに必要な恐怖を煽る曲が単曲としてもよくできていて

物語への没入感を強めてくれていたと思います。

もちろん推理パートのようなBGMや、全ての謎が解決する前の盛り上がるBGMなんかもあって

それぞれよく出来ているので中々耳に残りました。

後オープニングのキリノネガイも中々お気に入りの曲。

ダークな感じのロックな曲ですが本編への導入曲としては申し分ないと思います。

映像は人物紹介みたいな感じで低予算感満載ですが、

クリアした後に見直してみると、なるほどなぁと感じる配置にもなっていたり。

問題点

値段相応な部分のある各自システム

今作、非常に面白いと感じたんですが、良くも悪くもダウンロードタイトル

という枠組みの中のゲームだなと感じました。

声優は予算を抑える為かほぼ無名声優オンリー。

演技も作品には非常にマッチしてはいますし、最後までプレイすると愛着がわくのですが

あまり上手いとは感じませんでした。

 

音響関係も全体的に雑ですし、Uiもいかにもスマホのゲーム

というか元々がそうなので仕方ないのですがかなりチープです。

ゲーム性自体も希薄ですしね。基本は読むゲームという感じです。

 

ただし、今作はそれら以外のアドベンチャーゲームにおいて

最低限必要な部分がほぼ完ぺきに出来ているので、

さほど気にならない程度の物ではありました。

ボリューム的には全然3000円の価値はあると思いますし、

あくまで元々スマホのゲームとして考えれば気になる部分は少ないと思います。

異常に使い勝手の悪いメディアプレイヤー

今作、本編をクリアするとおまけとしてメディアプレイヤーが解放されるのですが、

これが異常なまでに使い勝手が悪い!

せっかく声優のコメントや音楽まで丁寧に用意されているのに

何故か小分けされているせいでいちいち項目を開かなければいけないんですよね。

しかも少し動作が重くてすんなり開かないし。

元がスマホのゲームとは言え、ここまで使い勝手が悪いのは少々衝撃的でした。

特にBGMはせっかくいい曲揃っているのに気軽に聞けないのが残念。

まとめ

こんな感じでしょうか。

「いやー面白かった!」クリアした時に、

真っ先にそういう感想が出るタイトルでしたね。

アドベンチャーゲームに最低限必要な物しか入っていませんが、

その最低限必要な部分がほぼ完ぺきだから故に、

評価されているタイトルだと思います。

今年はいくつかアドベンチャーゲームをプレイしましたが

僕は正直その中でも一番楽しめたかもしれません。

恐怖的な意味でも、面白さ的な意味でも睡眠キラーゲームでしたね。


低価格の割にはボリューム的にも十分ですし、

6000円くらいで販売されていても特に文句はないレベルです。

これが3000円なんて超お買い得すぎる!

特にSwitchはアドベンチャーゲームとも相性抜群なので

Switchでアドベンチャーゲームをプレイしたい方にはぜひ最初の一本として

おススメしたいですね!